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戦略労務第117号(2003/02)

イントロダクション

 如月2月も今日で終わりになり、雪の心配もそろそろなくなりそうな春めいた日差しとなってきました。このところ春らしい天候の不安定な日がつづき、三寒四温といった感じです。スギ花粉も飛び始めました。「戦略労務」第117号をお送りいたします。

労働基準法関係

解雇予告手当ての算定等に用いる平均賃金について

平均賃金の算定に関しては、起算日や計算から除外すべき期間や賃金があります。

 1.算定事由発生の日:
平均賃金は、これを「算定事由の発生した日以前3ヶ月間にその労働者に支払われた賃金の総額をその期間の総日数で除した金額」(労働基準法21条)とされますが、まずこの算定事由の発生日をどう考えるかが問題です。 これについては、平均賃金を算定すべき事由ごとに、つぎのように解釈されています。

  1. 解雇予告手当:解雇の通告をした日(解雇日ではない)
  2. 使用者の責による休業:休業させた日(休業の初日)
  3. 年次有給休暇:休暇により休んだ日(休業の初日)
  4. 災害補償:事故発生日又は診断により疾病の発生が確定した日
  5. 減給の制裁:制裁の意思表示が相手方に到達した日

 2.起算日:
算定事由発生の日がこのように確定したとして、実際の起算日は「事由発生日の前日」となります。たとえば、解雇予告手当であれば、前述のように解雇の予告をした日の前日から数えて過去3ヶ月において、その間の日数と賃金を基礎にして平均賃金を算定することになります。

 ただし、これは賃金の締切日を定めていない場合に限られます。実際には、ほとんどの企業には賃金の計算のための締切日がありますが、こうした締切日がある場合は、算定事由発生日の直前の賃金締切日から起算(その賃金締切日を含む)してその前3ヶ月について計算することとなります。

 3.特殊な場合の取扱い:
なお、賃金締切日当日に算定事由が発生した場合は、その日ではなく、その前の賃金締切日から起算してその前3ヶ月を計算の対象とします。

 また、雇入後3ヶ月に満たない者の平均賃金の計算においては、その者の雇入後の期間を基礎にして、以上のルールを適用することになります。つまり、この場合も賃金締切日があれば、事由発生日の直前の賃金締切日から過去にさかのぼって雇入れの日までを対象に計算することになります。

 4.算定期間から除外する期間:
労働基準法では平均賃金の算定において除外すべき期間を、つぎのように具体的に定めています。

  1. 業務災害による休業期間
  2. 労働基準法による産前産後の休業期間
  3. 使用者の責めによる休業期間
  4. 育児休業法等による休業期間
  5. 試みの使用期間

 これらの期間についても、会社によっては通常の賃金と異ならない賃金が支給されることもありますが、法的にはこれらは一律に除外することになります。これら以外の期間については除外されず、私傷病欠勤その他の欠勤や通勤災害による休業期間についても除外されないものと解釈されます。

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